財務と資金の「捉える化」コンサルティングと中小企業の「集客したい」をサポートする中小企業特化型マーケティングコンサルティングを得意とするF&Mアドバイザリー株式会社の田村です。

前回から続き物のテーマとして「経営計画」を扱ってみたいと思います。

1事業年度ごとであったり、中長期にわたって組織の運営のあり方を整え、指針とすべく立案する「経営計画」ですが、こと中小零細企業に関しては「実現」がなかなかなされない上に、そもそも立案すらされていない状況も見受けられます。

そこで、前回では「経営計画」について「経営計画は何故必要なのか?」という根本的な部分をご紹介させて頂きました。今回は「何故経営計画を実行できないのか」「何故計画を達成できないのか」「どうすれば計画を達成できる組織になるのか」という観点に向けて、「経営計画書の作成方法」を記事にまとめていきたいと思います。

題して、

「だから失敗する経営計画 その2」

です。

反面教師のようなタイトルですが、お読み頂けますと自社の経営計画の立案及び実現に少なくない気付きとなって頂ける様に真剣に書いて参ります。

どうぞ、お付き合い下さいませ。

 

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経営計画書の作り方

経営計画書は、「国語と算数」と表現されます。

これは、経営者の思い(想い・念い)を、「言葉と数字」を使って、従業員さんや金融機関、株主等の他者へ伝えるということです。

この「言葉」が経営理念であり御社の存在意義です。そして、「数字」を使って「有言実行」することで組織として存続できる根拠となります。

 

利益無き理念は寝言であり、理念無き利益は犯罪である。

 

学生時代に岡山のとある社長様(現在は会長職)が仰っており、田村が財務コンサルタントを目指すきっかけとなった言葉です。

経営計画書は、決意を明確にすることで生まれ、根拠を達成することに意味があります。

そんな「生きた経営計画書」の作り方を、一緒に見ていきましょう。

まずは、言葉で表現する

 

経営計画書の作成にあたり、まずは、経営者の思いを言葉で表現してみましょう。

この時のポイントは、3つあります。

・「書いた言葉は必ず実現する」と信じて書くこと

・期限を明確にして書くこと

・他者にも共感できる表現で書くこと

この2つです。

経営計画書は、経営者の思いを他者に伝えるツールです。

他者に伝えるからこそ、協働して達成に尽力できる環境が生まれるのです。

 

5年以内に、社員が家族に自社を自慢している組織にする!

 

こんな表現でも十分です。むしろ、良い表現だと思います。

この思いを、具体的に肉付けしていくのが「数字」の役割です。

 

次に、言葉を数字に直してみる

5年後に、社員さんが自社を家族に自慢できる状態ってどんな状態だろう?

そこから数字への変換が始まります。

 

給与をこれ位に上げてあげたい。

福利厚生も充実してあげたい。

家族を呼んで感謝祭もしたい。

・・・・色々なイメージが浮かんできます。

 

これを全て数字に反映していきます。

とにかく全て、反映していくと、「経費」だけはどんどん膨らんでいきますよね?

組織の通常運営コストは経費面では「固定費」や「支払利息」があります。それに加えて「借入金の元金返済」分の余剰資金を利益から賄わなくてはいけません。

これだけでも大変なのですが、さらに上乗せされていく「理念を達成するための経費」・・・。生半可な思いで書いていた「言葉」はここで力を失います。

 

ここで大切なのは、「理念に基づく経費を削らない」という意地です。

今回はたまたま従業員さんへの経費でしたが、そうでない場合も考え方は同じです。

 

理念に基づく経費を削るということは、理念を形骸化することにしか繋がりません。

「だから、一緒にやろうよ!!」

この言葉に繋がらないから、この雰囲気に繋げることが出来ていないから、経営計画書は失敗するのです。

 

言葉と数字を行き来する

言葉で表現して、数字で根拠を作る。

そして、また言葉に戻る。これを何度も繰り返します。

 

嘘はないか??

実行可能なのか??

1年で達成できるのか??

何年なら達成できるのか??

 

 

この自問自答が、絶対に必要なのです。

そして、この自問自答の最中に、大切な推敲がなされます。

それが、「具体的な確認」です。

 

具体的な確認の例としては、「必要売上高の分解」が挙げられます。

 

昨年比5%の売上アップ!!

・・・これだと恐らく運任せの計画にしかなりません。

言葉と数字を往復している間に、月々の売上高の根拠を細かく詰めていくはずなのです。

 

・取引先A社に、何月に、商品Bを、何セット販売する。

・何月のイベントは、商品Cを、何社と契約する。

 

「いつ・だれに・何を・いくつ」販売するのか・・・。

ここまで詰める必要があるのです。

さらに、「何故」というキーワードも入れてください。

 

何故、A社は、何月に、商品Bを、何セット購入してくれるのか。

この質問に自問自答することで、「売上計画」になるのです。

 

失敗しない経営計画書の作り方 まとめ

いかがでしたでしょうか?

失敗しない経営計画書の作り方をご紹介させて頂きました。

次回は、経営計画書の共有のポイントについて書いてみたいと思います。

 

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財務コンサルタント、中小企業特化型マーケティングコンサルタントとして大切にしている考え方をご紹介させて頂きました。

拙著である「お隣よろしいですか?」の3シリーズでは、そのことを核にして書き上げました。よろしければ、是非お手に取ってやって下さい。

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