財務と資金の「捉える化」コンサルティングと中小企業の「集客したい」をサポートする中小企業特化型マーケティングコンサルティングを得意とするF&Mアドバイザリー株式会社の田村です。

今日のテーマは、

「改善を成功させるたった一つのポイント」

です。「改善」を行う際に絶対に忘れてはいけない要所について書いてみようと思います。

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「改善」の枕詞は?

「改善(カイゼン)」という言葉は、経営活動の要所要所で頻繁に飛び交う言葉です。

利益率をカイゼンしよう!

不良品の割合をカイゼンしよう!

こういった場面で使用される「カイゼン」は、ある数値や指標をより良い方向に変化させようという意思を表現する言葉です。

もちろん、利益率や不良品の割合をカイゼンすることは健全な姿勢だと思いますし、企業活動では必要不可欠な取り組みだと思います。

しかし、この「カイゼン」には枕詞が常に隠れているはずです。

「誰のために」「何の為に」という枕詞です。

改善はお客様にとってプラスになるか否かという観点がスタートであるべきなのです。

 

お客様にとってプラスにならない「カイゼン」は「改善」ではありません。

 

そもそも何の為に「改善」するのか

この観点がとても大切だと思うのです。

 

不良品の割合を改善するのは、何故ですか?

 

クレーム処理に関するコストを下げるためですか?

 

お客様からの企業イメージの低下を避けるためですか?

 

きっと、違いますよね。

 

お客様に「やっぱり〇〇社の製品を選んで良かった」と思って貰いたいからですよね??

 

「経緯はどうあれ採用される行動が同じなら、結果は同じ」

・・・ではありません。

お客様の視点・立場に立った「改善」か、自社の数字だけ気にした「カイゼン」かは、お客様には伝わりますよ。

ですので、改善行動を策定する際、敢えて、問い直して頂きたいのです。

『この「改善」はお客様にとってプラスなのか?』と。

 

地元の最大手コンビニはどちらの「カイゼン」になるか。

これまでの考え方を採った際に、今気になっているのが、コンビニエンスストアの一斉改装です。

弊社の地元の某コンビニエンスストアは、今、本部の指導の下、順次一斉に改装工事に着手しています。

 

その内容は、

・陳列棚が最大数配置できるようなレイアウト設計とする

・レジカウンターを店内最奥に設置する

・店舗中央部分に入り口を設ける

・店内の左右両端にそれぞれ弁当コーナーとドリンクコーナーを設置する

というものです。

 

オーナーさん達によると、店内の回遊率を高めて購買金額を高めようということだそうです。

弁当と飲み物だけを欲している顧客が、店内を一旦左右に横断することになるのですから、目に触れる商品の数は増えるでしょう。

恐らくは、いわゆる「ついで買い」や「思い出し買い」も増えることと思います。

 

けれども、改悪になり得る可能性もすぐに想像できます。

レジカウンターの配置上、陳列棚が死角になりやすいはずなのです。

それを補うために多くの人が店内の不要な陳列棚前を通過するようにし、顧客の目を監視カメラ代わりにしているのかも知れませんが、オーナーさん達は、万引き率が高まらないか心配している状態です。

そして、何より「サッと買い物を済ませたい」というコンビニエンスストアに本来求めているメリットが薄まっていないでしょうか。

 

購入額増加のメリットは、本部のみならず店舗オーナーも享受できるでしょう。

ですが、

万引き率の上昇によるダメージは、店舗オーナーだけに来ませんか?

購入までの煩わしさから客足が遠のいたら、苦しいのは誰でしょうか?

 

もちろん、某コンビニエンスストアは、コンビニエンスストア業界の最大手ですし、様々なデータを分析した上での地域店の一斉改装なのでしょうから、部外者である上に、コンビニエンスストア経営の専門家でもない私が口を挟むつもりはありませんし、その権利も立場も知識もありません。

実際に、弊社にはコンビニエンスストアを経営されているお客様は居られません。ただ、業務上のお付き合いはなくても、各オーナー様達とは親しくなります。(不思議なことに田村はプライベートで立ち寄ったコンビニでもレジの方からよく話しかけられます(^_^;)・・・余談ですね。)

たまたまとある店舗で聞いた話を別のコンビニのレジで「なんだか、改装、大変そうですね。」と話しかけてみるだけで堰を切ったようにオーナーさん達が同様の不安や不満を話してくれました。

複数人のオーナーから同様の不安や不満が出てきてしまっていること、それ自体が気になるのです。

「改善」に関わる人が、安心して「改善」を受け容れることが出来る様に準備することも「改善活動」として大切なことだと思います。

 

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財務コンサルタント、中小企業特化型マーケティングコンサルタントとして大切にしている考え方をご紹介させて頂きました。

拙著である「お隣よろしいですか?」の3シリーズでは、そのことを核にして書き上げました。よろしければ、是非お手に取ってやって下さい。

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