財務と資金の「捉える化」コンサルティングと中小企業の「集客したい」をサポートする中小企業特化型マーケティングコンサルティングを得意とするF&Mアドバイザリー株式会社の田村です。
今回のテーマは「額なのか、率なのか」です。
組織活性化の最重要課題は、問題と解決策を共有できるか否かに掛っています。
スタッフと数字を共有する際や、経営者に財務状況を報告する財務幹部、コンサルタント、会計事務所の職員様にご覧になって頂きたい記事です。
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財務数字が苦手になる原因
財務数字を苦手に感じてしまう要因の一つに「よく分からない『率』」の存在が挙げられます。
ナントカ比率が高すぎる・・・。
ナントカ比率の改善を・・・。
率は「別のモノと比較する」「別の指標に入れ替える」というタイミングでは絶大な効果を発揮しますが、自社の数字を把握する時には、時に混乱しか招かないということにもなりかねません。
目標は「率を排除した額」で示す。
売上高はトップをひた走る営業マン・・・。一見すると部署のヒーローです。
ですが、本当でしょうか??
組織や営業部が目標として掲げている数値は「売上高」である場合も多いですが、これって大切な前提条件が隠れています。
・・・そもそも、何故「売上高」を目標に掲げたんでしたっけ??
そうです。目標とする利益から逆算して、必要な売上高を算出したんですよね??
ここがポイントです。
この「目標とする利益」が「営業利益」だった場合は、売上高から売上原価を差引いた残額である「粗利」から、さらに固定費を差し引いた残額が営業利益なわけです。
・・・ということは、必要売上高の計算の前提条件は・・・、
固定費が想定内だということと利益率が一定だということなのです。
つまり、
想定外の固定費が発生しても、値引き販売を行っても、売上高で意思統一した計画は破綻するのです。
では、どうするかと言いますと・・・、
営業部には「必要な額」(今回の例で言えば粗利の額)で目標設定を行い、共有するということが大切です。
1,000万円の売上を獲得しても原価率90%(粗利率10%)なら粗利は100万円
300万円の売上を獲得しても原価率50%(粗利率50%)なら粗利は150万円
会社の利益計画への貢献は、売上高300万円の案件の方が高いということになりそうです。
率が活躍する場面
「率」は「他社との比較」や「換算」をする場面で効果を発揮します。
同業他社と比較する際には、規模が違うわけですから「率」で比較することで自社の改善ポイントを探し出せることに繋がります。
必要な粗利の額を必要な売上高に換算する場合にも「粗利率で割り戻す」ことで行えます。もちろん、何故割り戻して必要な売上高を算出するのかというと、粗利率を変動させることで必要な売上高も変動するということを把握するためです。
つまり、行動のゴールは「額」で定め、行動に変化を促すために「率」を用いるというイメージです。
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財務コンサルタント、中小企業特化型マーケティングコンサルタントとして大切にしている考え方をご紹介させて頂きました。
拙著である「お隣よろしいですか?」の3シリーズでは、そのことを核にして書き上げました。よろしければ、是非お手に取ってやって下さい。