こんにちは。
財務とマーケティングで中小企業の安心経営のお手伝いをしたいF&Mアドバイザリー株式会社の田村です。
スポンサーリンク今日のテーマは、2種類の「会計」です。
会計をご自身の組織の経営に役立てたい社長様のお役に立てましたら幸いです。
「財務会計」と「管理会計」
会計には、大きく分けて二つの種類があります。
「財務会計」と「管理会計」です。
財務会計
こちらの財務会計は、言うならば「普通の会計」です。
税務署への申告や、金融機関や取引先への提出に使用できる公的財務書類である「決算書」は、この財務会計を拠り所にして作成される書類です。
(中には、純粋な会計の考え方の採用を控え、発生主義をベースとしながらも、とある支出は現金主義・・・という税務申告を強く意識した中小企業特有の『税務会計』と言われるような状況も多く見受けられます。)
ということは、財務会計は「他人の為の会計」と言うことも出来ます。
管理会計
こちらの管理会計は、読んで字の如く「管理のための会計」です。
生産品の原価効率等の測定に使うイメージが強いので、製造業や工業的な会計だと思いがちですが、製造業、工業に限ったモノではありません。
自分たちの組織活動を、自分たちが管理するための会計なのです。
ということは、管理会計は「自分自身の為の会計」と言うことが出来ます。
スポンサーリンク「経営判断にツカエル資料と、公式書類である決算書の完全リンク」
今までの記事の中で、決算書が読みにくい理由を、
「他人の為の会計」で作成された書類だからだ。
と表現してきました。・・・となると、自分自身の組織の経営判断に使える会計は「管理会計」なのですから、『よし!管理会計を導入しよう!』と考えたくなります。
ですが、この「管理会計の完全導入」には、大きな壁があるのです。
管理会計導入の壁とは?
管理会計導入の壁は大きく分けて2つの壁が存在しています。
1,導入時の混乱
通常の会計は「財務会計」です。その財務会計から管理会計に転換するとなると、今の経理処理と比較して、タイミングが少し煩雑になるものや、新たに計測しないといけない項目も出てきます。
考え方の徹底から入っていかないと行けないですし、経理課の方々のみならず、現場の方々への理解も頂く必要があります。
2,制度会計との整合性
そして、これが重要なのですが、外部で認められる書類は、あくまでも「財務会計」である決算書ということなのです。ですので、「内部で使いやすい書類」と「会社の名前を付けて、外に出て行く書類」の整合性を取ることが必要になってきます。
もちろん、最終数値が「財務会計」と「管理会計」とで相違することはありませんが、この整合を確認する「一手間」は紛れもない壁だと言えます。
経営判断にツカエル書類とは?
ということで、私がまず最初にオススメしているのは、「財務会計である決算書を分解・再構築することで管理会計的に利用する」ということなのです。
レイアウトを変えることで、組織の稼ぐ力をみることが出来ます。
科目を分解することで、組織の稼ぎ方を把握することが出来ます。
発生主義の考え方を徹底する。
経営判断にツカエル資料にするためには、社内の会計システムや制度の見直し等の膨大なコストや時間の掛かるものばかりではありません。
ちょっとした工夫で、財務会計のまま、管理会計の効果を得る手法はあるのです。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
「管理会計」とは、「処理の方法の種類」ではありません。
「どのように会計数値を利用したいか」が全てなのです。
財務コンサルタントとして大切にしている考え方をご紹介させて頂きました。
拙著である「お隣よろしいですか?」の3シリーズでは、そのことを核にして書き上げました。よろしければ、是非お手に取ってやって下さい。
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